白蓮華堂便り

Column

2016.09.09

[終活WEBセミナー]
東京にお墓が足りないというのは本当?

column09

都立霊園は狭き門。倍率が30倍以上の施設も!

東京都の都立霊園は、毎年夏にお墓の利用者を募集し、8月末に抽選を行っています。東京都が発表している報道資料によると、平成27年の倍率は、一般埋蔵施設(墓石を建てる従来型のお墓)が6.7倍、合葬埋蔵施設(1つのお墓に複数の遺骨をまとめて埋蔵するお墓)が3.2倍、樹林型合葬埋蔵施設(樹林の下の土に複数の遺骨を共同埋蔵するお墓)が11.1倍、樹木型合葬埋蔵施設(樹木の下の土に遺骨を個別に埋蔵するお墓)が2.0倍。なかには、倍率が30倍以上となった施設もありました。

都市部のお墓不足はますます深刻に

都立霊園のように、都道府県や市区町村などの自治体や、そこから委託された公益法人が運営管理する墓地を公営墓地といいます。公営墓地は、民営墓地や寺院墓地に比べると永代使用料や管理料が安く、また、宗旨宗派が不問なことから、どの地域でも人気です。とはいえ、東京都の倍率がこれほど高くなるのには理由があります。お墓が不足しているのです。

東京都でお墓が不足している原因としては、
①都市部に人口が集中し、都市部でお墓を探す人が増えている
②「お墓を承継してくれる人がいない」「遠方にお墓参りに行くのが大変」等の理由から、故郷のお墓を都市部へと移す「改葬」を希望する人が増えている
③高齢化が進み、死亡者数が増えている
④土地が不足していて霊園を新たにつくることができない
⑤近隣住民の反対などにより、霊園の新設が困難
などの理由が考えられます。

とくに③の影響は大きく、国の推計によると、2015年の年間死亡者数は約131万人、15年後の2030年は約160万人、25年後の2040年は約167万人となっており、今後、お墓不足はいっそう深刻な問題となりそうです。

焦りは禁物! 寺院墓地や民営墓地も検討を

ただし、都市部であっても、寺院墓地や民営墓地であれば、まだ余裕があるともいわれています。まれに、「早く購入しないとお墓がなくなる」と不安を煽ってお墓の購入を迫る施設もあるようですが、焦って契約をすると後悔する可能性大。しっかりと時間をかけて、自分はもちろん家族も納得のできる“終の棲家”を見つけてください。

まとめ

都市部への人口集中、死亡者数の増加といった理由から、都市部ではお墓が不足傾向にあります。都立霊園のなかには倍率が30倍を超える施設も! その一方で、寺院墓地や民営墓地にはまだ余裕がある施設もあるようです。「今すぐ購入しないとお墓がなくなるかも」と焦らずに、納得のできる“終の棲家”を探しましょう。

0120-517-177